2023年04月18日

ひとなる通信 第114号(令和5年3月15日発行)


隔月で発行している機関誌です。抜粋して一部をご紹介します。


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金沢ヒューマン文庫を愛し守る会「ひとなる通信」第114号より
発行日:令和5年3月15日
発行:金沢ヒューマン文庫を愛し守る会
蒲郡市宮成町(蒲郡市立図書館内)
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寄贈の依頼受ける

書籍『50人の証言・わたしの戦争体験』
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に納まる


 蒲郡市立図書館が、電子書籍の貸出しをスタートさせたのは、昨年の2月でした。市販の(図書館向け)電子書籍を購入し、提供するものですが、これに併せ収蔵する地域資料、例えば蒲郡「民話」や「偉人伝」などを電子書籍化してアップすることも始めました。
 本会の前身“蒲郡金沢嘉市研究会”が平成15年に編集・出版した『50人の証言・わたしの戦争体験』もその1冊として電子化してアップしたのですが、これと軌を一にするかのように、1月22日、図書館に一本の電話が入りました。電話の主は「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」からのものでした。

戦争の記憶を継承する努力に敬服

 「すみませんが、『50人の証言・わたしの戦争体験』の本、保存用と閲覧用の2冊、寄贈していただけるとありがたいですが…」との申し入れでした。思わぬ電話に、本会は、直ちに、この国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に送付させていただいたところです。
 折り返し2月10日、担当者様から「ご寄贈いただいた図書は祈念館にて大切に活用してまいります」との礼状をいただきました。
 同封されていたメッセージの中に・・・
 「しまってはおけない記憶がある。―」
 「しまってはいけない記憶もある。―」
 これが、原爆死没者追悼平和祈念館のモットーでしょう。
資料を収集し、保存し、活用へと結びつけてゆくという「戦争の記憶を継承する」不断の努力に頭が下がります。





ミニコンサートで愉しむ朗読の世界
寺沢さんのギター演奏で盛り上がる

星新一の『友好使節』は面白くて 1月21日生命の海科学館

 今年度2回目となる、本会が力を入れて取り組む「ミニコンサートで愉しむ 朗読の世界」ですが、去る1月21日(土)に蒲郡市生命の海科学館で開催されました。
 この会の楽しみのひとつは朗読とコラボする“演奏”です。今回は、寺沢忠信さんのギターです。
 童謡「ふるさと」の演奏でスタートした会は、星新一『友好使節』の朗読からです。読み手は、花岡とも子さん。
 「友好的で平和的にみえる宇宙人と、彼らに少々敵意をもちつつ歓迎する地球人。地球にやってきた宇宙人に地球側の代表が歓迎のあいさつをします。ことばの意味がわからない宇宙人は、自分たちの翻訳機にかけるんですが―」
 本音と建前の現代社会を風刺した作品の面白さを花岡さんが表現豊かに朗読しました。

「ゲンの戦争体験」を朗読しました。

 次いで、立ったのは小笠原加代子さん。朗読したのは、中沢啓治『はだしのゲンはピカドンを忘れない』です。
 「1945年8月6日の広島。小学校1年生のとき、爆心地から1.2キロ離れた学校へ登校途中に被爆し、奇跡的に生還したゲン―」その内容を伝える筆者の渾身の作品を、小笠原さんは、坦々としながらも力を込めて、戦争の悲惨さを訴えるかのように朗読しました。

子ども心のナイーブさを描いた重松作品と童謡詩人の金子みすゞも朗読

 続いては、重松清著『バスに乗って』。渡辺充江さんの朗読です。
 「入院中の母親を見舞いに、バスで通う少年の物語。バスの回数券を使うと母親の入院期間が長引くと思い、最後の1枚を使いたくない少年。バス運転手のはからいは・・・。使わなかったその帰り、母親の退院が決まった。回数券の裏に“ありがとうございました”と書いて箱に入れた少年―」
 子どものナイーブな心の動きや大人の優しさ、交流を描いた作品を、子どもに寄せる思いが人一倍強い渡辺さん、心を込めて読みました。
 そして、山岸よし子さんは、金子みすゞの詩集の中から「星をたんぽぽ」などをゆっくりとしたテンポで朗読しました。

小泉八雲の『怪談』
「青柳のはなし」は悲しくて・・・


 最後は、小泉八雲の『怪談』の中から、「青柳のはなし」。朗読は渡辺澄子さん。
 「若い武士が、山里で年老いた両親と暮らす青柳という名の美しい女と知り合い、妻に迎える。あるとき妻は倒れ、武士の腕の中で着物と簪を残して消えてしまった。武士は悲しみのあまり出家して巡礼の旅に出て山里を訪れ、そこで無残に切り倒された柳の切り株を見つけることに・・・」
 渡辺さんは、この悲しい物語を、切々と読み上げました。
 寺沢さんが演奏するギター局が花を添えました。「海」などの童謡や、「翼をください」などで、思わず口ずさみたくなるような曲ばかり。語りを交えて演奏していただき楽しめるひとときとなりました。寺沢さんに感謝!
 帰り際に、「今日は参加させていただき、ありがとうございました。5人の方々の朗読に感動しました。ギター、素晴らしかったですネ!また来たいです」という言葉をかけてくれました。




親子教室開く!
テントウムシがのぼったヨ―

親も一緒に楽しめました 1月19日生命の海科学館

 去る1月19日(日)、本会が主催する恒例の「親子教室」が、蒲郡市生命の海科学館で開かれました。
 今回のテーマは。「ステッキをのぼるテントウムシを作ろう」です。テントウムシがステッキをのぼってゆく・・・不思議を体験できる科学工作です。
 定員制なので、応募された10組の親子が受講されました。
 教室は、伊藤政志副会長の司会進行で始まりました。この日の講師は、田中正彰先生です。
 先ずはテントウムシの動きの秘密、磁石の勉強です。N極とS極の働き方を学び、続いてこの工作の仕掛けとなる発泡スチロールが水に浮くことを確認し、制作に進みます。
 発泡スチロールに磁石を貼り付けます。次にステッキとなる筒状の小型パイプに水を入れ、中に磁石を付けた発泡スチロールを入れゴム栓をします。
 後は、テントウムシが描かれた絵、そう、これに磁石を貼り付け・・・、この絵、テントウムシを筒にくっつけてステッキをのぼるように動かすというワケです。親子の懸命な工作、共同作業が繰り広げられました。
 受講された方に感想を聞くと、「身近なものだけれども、驚きのある工作ができて、子どもも大人もしっかり楽しめました。機会があれば、また参加したいです」と、完成した作品を見せながら語ってくれました。

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114号からの抜粋は以上です。すべてを読みたい方は、会員としてご登録ください。会員の方には機関誌「ひとなる通信」(B5版全6ページ)をお届けしています。会についての詳細は、ホームページにてご覧ください。

  http://www.kanazawa-human.club/
posted by kanazawa_human at 11:30| Comment(0) | TrackBack(0) | カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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