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金沢ヒューマン文庫を愛し守る会「ひとなる通信」第113号より
発行日:令和5年1月15日
発行:金沢ヒューマン文庫を愛し守る会
蒲郡市宮成町(蒲郡市立図書館内)
戦争はやっちゃあいかん その思いを伝えたい!! 蒲郡市が令和4年12月14日 非核平和都市宣言
蒲郡市は、昨年の12月議会で、ロシアがウクライナへの信仰を続け、この戦争で核兵器の使用をチラつかせていることもあり、蒲郡から平和の声を世界に届けようという意味を込め、また一方で、今年“みんなの力で、ひとづくり、家づくり、街づくり”という蒲郡市民憲章が制定されて50周年を期すことから、めざす町づくりの中心に据えるため、『非核平和都市宣言』をしたものと思います。
市広報2023年1月号「平和実現のため活動する団体」として紹介される
このほど、蒲郡市が発行する「市広報」1月号に、この宣言を広く市民の皆さんに知らせる記事が掲載されました。
これによると、市では、“平和の取組み”の推進というのも課題となることから、わが「金沢ヒューマン文庫を愛し守る会」が“戦争体験を語り継ぐ”活動をしていることに注目し、記事の中で採り上げてくれたのですね。
そうです。私たちは、蒲郡・金沢嘉市研究会と言っていた時代に、市内の戦争体験者から聞き取り調査などして発行した『五〇人の証言―私の戦争体験』という本をもとに「戦争はやっちゃあいかん―の思いを伝える朗読会」を、毎年8月頃に、蒲郡市民会館などで開催してきました。それは約8回に及びました。
私たちは、昨年の8月6日に「音楽と共に聞く戦争体験を語り継ぐ会」を、蒲郡市生きがいセンターで開催しました。こうした活動をしてきたこともあって、採り上げられたのですね。
開催して実感したのは、戦争体験を語り継ぐことの大切さです。戦後77年も経つと、戦争体験者も少なくなってきていますし、また子供たちにどう伝えるかも課題となっています。だからこそ、こうした状況の中で私たちは、戦争体験を語り継ぐ活動をつづけていく所存ですし、今年も平和の取り組みとして「戦争体験を語り継ぐ会」を開くことを決めています。
音楽と共に楽しむ「科学の集い」 レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を朗読 科学館と一緒に開催
昨年の3月に予定し、コロナ禍で8月に延期となり、12月にまで延期となっていた蒲郡市生命の海科学館が主催する「音楽と共に楽しむ―科学の集い」の第1回目レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』がやっと12月17日(土)に開催することができました。
会場の科学館メディアホールには、夜7時開会という中ではありましたが、予約申込者の11名が集まりました。
まずは、主催者であり、司会進行役の科学館・山中館長から、館の紹介を織り交ぜながら、「朗読を通して科学へ興味を深めていってください」という挨拶をいただき、始まりました。
バイオリン演奏を聴きながら“科学”を学ぶ!!
音楽演奏は永井幸久さんのバイオリンです。文節ごとに読み手が交代、その合間に演奏が入ります。曲目は、“アベマリア、ジュピター、星に願いを、いのちの歌、メモリー”などです。朗読と共に、皆さん心地よい演奏に耳を傾けていました。
最後に、山中館長は、「皆さんの、センス・オブ・ワンダーが読み覚まされますように!」と締めくくられ終了となりました。
感想を参加者に伺ったところ、「朗読の合間に流れるバイオリン、大いなる癒しを受け取り、良い時間でした。ありがとうございました。大辞泉がいつまでも美しくありますように…」と、明るく語ってくれました。
海辺の文学記念館 MIKAWAde遊び100 日本の名作を聞く 芥川龍之介を牧野さん渡辺さんが読む ―11月20日―
去る11月20日(日)、蒲郡市観光協会が展開する、多彩な体験型観光プログラム『MIKAWA de 遊び100―秋』が、蒲郡市海辺の文学記念館で開かれました。
「日本の名作を聞く」のシリーズで、「金沢ヒューマン文庫を愛し守る会」が担当する2回目は、芥川龍之介の作品をとりあげました。朗読は、牧野美千代さんと渡辺澄子さんの二人です。
牧野さんが朗読したのは『鼻』でした。
「花が長〜い禅智内供という僧侶の話。内供は、内心この鼻を苦にしていて、自尊心を傷つけられたこともあったため、鼻を短くするために、色々な方法を試してみるがなかなかうまくいかない。弟子が京に上ったとき、医者から学んできた方法を試してみることにする。鼻をお湯で茹でて、その鼻を人に踏ませるという方法である。鼻は嘘のように行儀よく唇の上に納まるほどに縮んでいったというが、そして・・・」
芥川作品の中で、最も親しまれている作品です。あらためて人の心の内側を垣間見るようで考えさせられました。
渡辺さんが読んだのは、『舞踏会』という作品です。
「主人公の明子は、父と共に鹿鳴館の舞踏会へ。美しい明子に仏蘭西人の海軍将校が踊りを申し込む。ワルツを二人で踊った後で二人はベランダに出て星空を見ながら腕を組んで佇んだ。32年後、老婦人となった明子がその一夜のことを思い出すという淡い恋の思い出」を、渡辺さんが感慨深く、朗読しました。
12月18日の日本の名作を聞く 山本周五郎を読む 『雨あがる』 大場さん 山本さんが
続く12月18日(日)に開かれた「日本の名作を聞く」の本会が担当する3回目は、大場智江子さんと山本孝枝さんです。朗読するテーマは、山本周五郎の秀逸の作『雨あがる』です。
「三沢伊兵衛は武芸の達人であったが、優しくて温かな性分であったため、武士としてなかなか士官の道が叶わなかった。
武士として生きるより人間としての生き方を選んでしまった伊兵衛を支えた妻のおたよも伊兵衛の性分を認め、“一緒にいるだけで幸せ”と心の中で思うほどであった・・・」武士の苦衷や庶民の哀歓を描くのを得意としていた周五郎作品の神髄を、大場さん山本さんの二人の朗読で聞かせました。
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113号は以上です。会員の方には機関誌ひとなる通信(B5版全6ページ)をお送りしています。会についての詳細は、ホームページにてご覧ください。
http://www.kanazawa-human.club/