金沢ヒューマン文庫を愛し守る会「ひとなる通信」第111号より
発行日:令和4年9月15日
発行:金沢ヒューマン文庫を愛し守る会
蒲郡市宮成町(蒲郡市立図書館内)
愛知教育文化振興会から 4年度『学校教育ボランティア』助成の対象に選ばれる
本会の活動のひとつに学校での「読み聞かせ」があります。とりわけ子どもが読書に親しめる〜本と仲良しになれる〜ようにと、すすめられている「朝の読書」などに派遣する活動は、蒲郡市が平成17年(2005年)に策定した『子どもの読書活動推進計画』、―策定した計画の期間は5ヵ年なので見直しが必要!―に合わせ協力するカタチで積極的に取り組んでいます。
蒲郡市立形原北小学校から推薦をいただき授与さる
このほど、こうした活動が認められて、形原北小学校から、本会が“愛知教育文化振興会の事業「令和4年度学校教育ボランティア助成」のなかの『読書活動グループ助成』の対象に選ばれた”という連絡が入り、さる7月13日に形北小に於いて愛知教育文化振興会の水藤彰啓事務長から、推薦していただいた形北小の広浜校長立ち合いのもと、助成金が授与されました。
舩坂会長、牧野文化部長が臨席し、「今後の活動のなかで有効に使わせていただきます。」と謝辞を述べてきました。
この県教育分以下振興会の『読書活動グループ活動助成』は、令和元年度に竹島小学校からの推薦により選ばれて以来、今回2回目の授与という栄誉に浴した次第です。
なお、今回の助成対象団体には、形原小学校の読み聞かせグループ「あじさい」も選ばれています。
8月6日蒲郡市生きがいセンター ピアノの美しい音色とともに 『戦争体験を語り継ぐ会』開く
本会は、去る8月6日(土)、蒲郡市生きがいセンターホールを会場に「音楽と共に聴く―『戦争体験』を語り継ぐ会」を開催しました。
開催のきっかけは、演奏(ピアノ)を担当していただいた、「音の和・代表」の松永淳子さんから、“戦争体験を子ども達に語り継ぐ機会があると良いね”とのご要望をいただき、わたしたちがかつて「戦争はやっちゃあいかんの思いを伝える朗読会」などに取り組んできた経緯もあり、背中を押されるかたちで、松永さんと一緒に開催することになったものです。
当日はコロナ禍の状況下、予約をいただいた40名の皆さんに感染対策をとっていただいた上でホールに入場していただきました。
『絵本』と『体験』で戦争の実相をしみじみと・・・
オープニングのピアノ演奏で会はスタート。先ずは、絵本の読み聞かせからの始まりで、松永さんの『へいわって どんなこと』(童心社)の読み聞かせです。松永さんのたんたんとしながらも心に染み入る語り口で、平和は日常の中にあること、その大切さを伝えました。
続いては、『わたしの戦争体験』の朗読です。「神ノ郷町、高木和子さんの―豊橋空襲」を山本孝枝さんが、「幡豆町、石田フキ子さんの―セーラー服」を高橋文子さんが、それぞれが気持ちを込めて切々と読みました。
酒井さんのおなはし 子どもの頃戦争があった
戦死した父の思い出は別れにくれたコンペイトウ
そして、メインの「子どもの頃、戦争があった」です。竹島町の酒井広美さん(84歳)から、戦時下で暮らした体験を語っていただきました。
―酒井広美さんの父が戦争に行ったのは昭和19年で33歳のとき、広美さんは幼稚園の年長。戦地に出かける前に父に会うことができるというので、大阪の港まで大きなお腹をかかえた母と妹の三人で記者に揺られて面会に行った。大好きな父は「よく来てくれたね」とコンペイトウをくれた。それが最後の別れ、その甘さは今でも忘れられない。
小学校に入り、ある日新しい白い服を着て出校したときのこと、校庭の隅に釜が用意されていて、ぐつぐつと煮立った鍋の中にその服は入れられ茶色に染められてしまった・・・そんな時代であったといいます。
大型紙芝居で豊川海軍工廠の惨劇を伝える
この日のラストは、本会が手作りした大型紙芝居のひとつ、『忘れないで八月七日―豊川海軍工廠の惨劇』の上演です。出演はほぼオールキャストで臨み、臨場感あふれる熱演に皆さんから大きな拍手をいただきました。
そして、エンディングは、「花は咲く」で、この会の余韻にひたりつつ・・・終了となりました。ピアノの演奏で盛り上げていただいた「音の和」の皆さんのご厚意に感謝ですね。
終了後、聴いてくださった七十代の男性から、「平和の大切さを実感した。お盆に来る孫たちに、このことを話そうと思う。」と、また七歳の女の子からは、「勉強になりました。来てよかったです。」といった感想をいただきました。
アンケート結果 91.7%が良かったと回答
この会の開催にあたり、アンケートをとらせていただいたところ、40名中24名様から回答をいただきました。(回収率60%)
集計の結果、この会について“どうでしたか”と、伺ったところ、「良かった」が91.7%、「ふつう」が8.3%、「良くなかった」は0%という回答をいただきました。
次に、“こうした会を今後も続けるべきか”を伺ったところ、「続けるべき」という回答が、100%を占めました。
新型コロナBA5禍 8/20「科学の集い」 9/17「ミニコンサートで愉しむ・・・朗読の世界」 ともに延期
蒲郡市生命の海科学館と共催で取り組む「朗読で楽しむ―科学の集い」は、この8月20日(土)にレイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』をテーマにして開催を予定していましたが、コロナ禍により、残念ですが、12月17日(土)に延期となりました。
実はこの事業、今年の3月19日(土)に、科学館と一緒に取り組む、初の事業として、力を入れて準備していたところでしたが、コロナにより8月に延期になっていたもので、今度も延期になりましたが、12月には、必ずや開催できることを願ってやみません。―「“コロナ退散”を祈る!」
また、9月17日(土)に予定している「ミニコンサートで愉しむ―朗読の世界」(会場は生命の海科学館)も来年の1月21日(土)に延期となりました。
------------------------------------------------------------------------------------
「人間にくずはない」「だれにもピカリと光る何かかがある」「それを見つけだし、磨きをかけ伸ばすのが教育だ」という教育信条のもと、子どもの心情を尊重した教育を実践した金沢嘉市氏。
現役を引退後も教育評論家として幅広く活躍された氏の著書、蔵書、教育実践資料が郷里の蒲郡市に寄贈され、1993年7月、蒲郡市立図書館に「金沢ヒューマン文庫」として開設されました。
「金沢ヒューマン文庫を愛し守る会」は、この金沢ヒューマン文庫を拠点にして、文庫の普及・活用をはかりながら、子どもたちの「生きる力」を育むための文化活動をすすめようと2004年4月24日に発足しました。10年間研究活動を続けてきた「金沢嘉市研究会」の発展解消を受けて結成されたもので、金沢先生のご遺志を受け継ぎ、先生が特に力を注いでおられた子どもの文化活動に重点を置いた活動をめざすものです。
機関紙『ひとなる通信』を隔月で発行しております。年会費1,000円でお届けします。詳しくはホームページをご覧ください。
http://www.kanazawa-human.club/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。